商業登記について
商業登記とは、会社等に関する一定の事項について公示する手続きをいいます。
会社法においては一定の登記事項の変動について登記することが義務づけられています。
弊所におきましても、商業登記に関する手続きの代行やご相談を承っておりますので、お気軽にご相談ください。
◆商業登記の主な種類
1、会社設立(株式会社設立、合資会社設立、合名会社設立、合同会社設立)
2、本店・支店関連の登記(本店移転、支店設置、支店移転)
3、役員変更関連の登記
(取締役の変更、代表取締役の変更、監査役の変更、会計監査人の変更 、会計参与の変更)
※役員変更登記は辞任や退任した場合のみならず、同じ人が地位を継続する場合(重任)も登記が必要となります。
例えば、取締役のAさんが任期2年の場合、10年間同じ取締役の地位を継続したとしても2年ごとに重任の登記が
必要となることになります。
4、株式に関する登記(募集株式の発行、株式の分割、株式の併合など)
5、その他の変更登記
商号変更、目的変更、株式の譲渡制限に関する規定の設定及び変更、資本金の額の減少、会社の解散、
清算人及び代表清算人の選任、清算結了、会社の合併、会社分割、株式交換、株式移転など
◆商業登記の登記懈怠による過料について
会社の登記事項の変動があった場合には原則として変更が生じた時から2週間以内に変更の登記をする義務が生じます。
この義務に違反して登記を放置しておくと会社法976条によって100万円以下の過料に処せられることもありますので、注意が必要です。
尚、登記懈怠についてどの程度で過料に処せられるのかは最終的には裁判官の判断によるので明確には
いえませんが、一般的には数か月以内程度の登記懈怠であれば過料に処せられないといわれているようです。
また、登記を実際に何年も放置していたような場合には何十万円単位で過料の請求がくることもあるようで、
過料の額は一般に裁判所が放置した期間の長短によって決定しているようです。
<参考条文(会社法抜粋)>
第九百十一条 株式会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。
一 第四十六条第一項の規定による調査が終了した日(設立しようとする株式会社が委員会設置会社である場合にあっては、設立時代表執行役が同条第三項の規定による通知を受けた日)
二 発起人が定めた日
2 前項の規定にかかわらず、第五十七条第一項の募集をする場合には、前項の登記は、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。
一 創立総会の終結の日
二 第八十四条の種類創立総会の決議をしたときは、当該決議の日
三 第九十七条の創立総会の決議をしたときは、当該決議の日から二週間を経過した日
四 第百条第一項の種類創立総会の決議をしたときは、当該決議の日から二週間を経過した日
五 第百一条第一項の種類創立総会の決議をしたときは、当該決議の日
3 第一項の登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない。
一 目的
二 商号
三 本店及び支店の所在場所
四 株式会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め
五 資本金の額
六 発行可能株式総数
七 発行する株式の内容(種類株式発行会社にあっては、発行可能種類株式総数及び発行する各種類の株式の内容)
八 単元株式数についての定款の定めがあるときは、その単元株式数
九 発行済株式の総数並びにその種類及び種類ごとの数
十 株券発行会社であるときは、その旨
十一 株主名簿管理人を置いたときは、その氏名又は名称及び住所並びに営業所
十二 新株予約権を発行したときは、次に掲げる事項
イ 新株予約権の数
ロ 第二百三十六条第一項第一号から第四号までに掲げる事項
ハ ロに掲げる事項のほか、新株予約権の行使の条件を定めたときは、その条件
ニ 第二百三十六条第一項第七号並びに第二百三十八条第一項第二号及び第三号に掲げる事項
十三 取締役の氏名
十四 代表取締役の氏名及び住所(第二十二号に規定する場合を除く。)
十五 取締役会設置会社であるときは、その旨
十六 会計参与設置会社であるときは、その旨並びに会計参与の氏名又は名称及び第三百七十八条第一項の場所
十七 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)であるときは、その旨及び監査役の氏名
十八 監査役会設置会社であるときは、その旨及び監査役のうち社外監査役であるものについて社外監査役である旨
十九 会計監査人設置会社であるときは、その旨及び会計監査人の氏名又は名称
二十 第三百四十六条第四項の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者を置いたときは、その氏名又は名称
二十一 第三百七十三条第一項の規定による特別取締役による議決の定めがあるときは、次に掲げる事項
イ 第三百七十三条第一項の規定による特別取締役による議決の定めがある旨
ロ 特別取締役の氏名
ハ 取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨
二十二 委員会設置会社であるときは、その旨及び次に掲げる事項
イ 取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨
ロ 各委員会の委員及び執行役の氏名
ハ 代表執行役の氏名及び住所
二十三 第四百二十六条第一項の規定による取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人の責任の免除についての定款の定めがあるときは、その定め
二十四 第四百二十七条第一項の規定による社外取締役、会計参与、社外監査役又は会計監査人が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めがあるときは、その定め
二十五 前号の定款の定めが社外取締役に関するものであるときは、取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨
二十六 第二十四号の定款の定めが社外監査役に関するものであるときは、監査役のうち社外監査役であるものについて、社外監査役である旨
二十七 第四百四十条第三項の規定による措置をとることとするときは、同条第一項に規定する貸借対照表の内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの
二十八 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め
二十九 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項
イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの
ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め
三十 第二十八号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨
(合名会社の設立の登記)
第九百十二条 合名会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記してしなければならない。
一 目的
二 商号
三 本店及び支店の所在場所
四 合名会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め
五 社員の氏名又は名称及び住所
六 合名会社を代表する社員の氏名又は名称(合名会社を代表しない社員がある場合に限る。)
七 合名会社を代表する社員が法人であるときは、当該社員の職務を行うべき者の氏名及び住所
八 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め
九 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項
イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの
ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め
十 第八号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨
(合資会社の設立の登記)
第九百十三条 合資会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記してしなければならない。
一 目的
二 商号
三 本店及び支店の所在場所
四 合資会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め
五 社員の氏名又は名称及び住所
六 社員が有限責任社員又は無限責任社員のいずれであるかの別
七 有限責任社員の出資の目的及びその価額並びに既に履行した出資の価額
八 合資会社を代表する社員の氏名又は名称(合資会社を代表しない社員がある場合に限る。)
九 合資会社を代表する社員が法人であるときは、当該社員の職務を行うべき者の氏名及び住所
十 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め
十一 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項
イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの
ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め
十二 第十号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨
(合同会社の設立の登記)
第九百十四条 合同会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記してしなければならない。
一 目的
二 商号
三 本店及び支店の所在場所
四 合同会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め
五 資本金の額
六 合同会社の業務を執行する社員の氏名又は名称
七 合同会社を代表する社員の氏名又は名称及び住所
八 合同会社を代表する社員が法人であるときは、当該社員の職務を行うべき者の氏名及び住所
九 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め
十 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項
イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの
ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め
十一 第九号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨
(変更の登記)
第九百十五条 会社において第九百十一条第三項各号又は前三条各号に掲げる事項に変更が生じたときは、二週間以内に、その本店の所在地において、変更の登記をしなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、第百九十九条第一項第四号の期間を定めた場合における株式の発行による変更の登記は、当該期間の末日現在により、当該末日から二週間以内にすれば足りる。
3 第一項の規定にかかわらず、次に掲げる事由による変更の登記は、毎月末日現在により、当該末日から二週間以内にすれば足りる。
一 新株予約権の行使
二 第百六十六条第一項の規定による請求(株式の内容として第百七条第二項第二号ハ若しくはニ又は第百八条第二項第五号ロに掲げる事項についての定めがある場合に限る。)
(過料に処すべき行為)
第九百七十六条 発起人、設立時取締役、設立時監査役、設立時執行役、取締役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員、監査役、執行役、会計監査人若しくはその職務を行うべき社員、清算人、清算人代理、持分会社の業務を執行する社員、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役、監査役、執行役、清算人若しくは持分会社の業務を執行する社員の職務を代行する者、第九百六十条第一項第五号に規定する一時取締役、会計参与、監査役、代表取締役、委員、執行役若しくは代表執行役の職務を行うべき者、同条第二項第三号に規定する一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、第九百六十七条第一項第三号に規定する一時会計監査人の職務を行うべき者、検査役、監督委員、調査委員、株主名簿管理人、社債原簿管理人、社債管理者、事務を承継する社債管理者、代表社債権者、決議執行者、外国会社の日本における代表者又は支配人は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。
一 この法律の規定による登記をすることを怠ったとき。
司法書士・行政書士 よどがわ事務所
〒533−0005 大阪市東淀川区瑞光1−3−12 明徳ビル205号
電話番号 06−6326−4970 FAX番号06−6379−3990
Copyright(C)2008-2024 司法書士・行政書士 よどがわ事務所 All Rights Reserved.