[司法書士よどがわ事務所][相続相談室]
相続財産清算人(旧相続財産管理人)選任について
◆相続財産清算人(旧相続財産管理人)とは?
相続財産清算人とは、相続人が明らかでない場合に、裁判所の選任により死亡者の財産を管理する者のことをいいます。
相続財産清算人の職務としては、被相続人の債権者等に対して被相続人の債務を支払うなどして清算を行います。
そして、最終的に清算後残った財産を国庫に帰属させることになります。
弊所でも相続財産清算人選任申立てに関するサポートを行っておりますので、お気軽にご相談ください。
相続財産清算人選任に関するご相談は 06−6326−4970 まで
◆相続財産清算人選任の申立てに関する利害関係人例
1、被相続人の債権者
亡くなった方にお金を貸しているなどの債権をもっている場合、相続財産管理人の選任を申立てして、相続財産から債権の回収を行うことができます。
2、特別縁故者
亡くなった方の相続人ではないが、内縁の妻等の亡くなった方と特別の関係がある場合に特別縁故者として相続財産の分与を求めることができます。
このような財産分与請求の前提として相続財産管理人の選任の申立てをする必要があります。
3、相続放棄をした相続人
相続財産管理人は相続人が存在していたものの、全ての相続人が相続放棄をしてしまって相続人がいなくなった場合も選任されます。
この場合、相続放棄した相続人にとっては放棄したのだから亡くなった方の財産の行方など
どうでもいいと思われる方もいらっしゃると思います。
ですが、相続放棄したからといって自己の管理下にある相続財産の管理までは放棄することはできません(民法940条)。
そのため、相続財産の管理義務を免れるために相続財産管理人の選任を申し立てて相続財産を引き継ぐ必要があります。
4、成年後見人、保佐人、補助人等
亡くなった方の財産を生前に管理していた成年後見人などは本人が死亡すると基本的に管理財産を相続人に引き渡す必要があります。
しかしながら、相続人がいない場合は引き渡し先がない状態となるため、相続財産清算人の選任の申立てが必要となることがあります。
◆申立ての場所
被相続人の最後の住所地の家庭裁判所
◆相続財産清算人の申立てに必要なもの
1、収入印紙800円
2、連絡用の郵便切手(申述する家庭裁判所へ確認が必要)
3、官報広告料(5075円)
4、被相続人の住民票の除票又は戸籍の附票
5、被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)
6、被相続人の父母の戸籍謄本(出生から死亡まで)
7、被相続人の子及びその代襲相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)
8、被相続人の直系尊属の死亡の記載のある戸籍
9、被相続人の兄弟姉妹及び代襲相続人の戸籍(出生から死亡まで)
10、財産を証明する資料(不動産の登記事項証明書、通帳の写し、残高証明書、固定資産税評価証明書など)
11、金銭消費貸借契約書など利害関係を証する書面の写し(利害関係人からの申立ての場合)
12、相続財産清算人の候補者がいる場合はその住民票又は戸籍の附票
13、必要に応じて相続財産清算人の報酬等のための予納金
◆相続財産清算人申立ての手続きの流れ
1、家庭裁判所が相続財産清算人選任の審判をすると6カ月以上の期間を定めて、相続財産清算人が
選任されたことを知らせるための公告及び相続人を捜すための公告を行います。
2、相続財産清算人が2か月以上の期間を定めて,相続財産の債権者・受遺者を確認するための
公告を行います。
3、1の期間満了後に特別縁故者に対する財産分与の申立てが3ヵ月以内になされる場合や
その他債権者や受遺者に支払いがなされた後に相続財産が残っていた場合は、それが国庫に
引き継がれて終了となります。
◆相続財産清算人に関する参考条文抜粋
第六章 相続人の不存在
(相続財産法人の成立)
第951条 相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は、法人とする。
(相続財産の清算人の選任)
第952条 前条の場合には、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、相続財産の清算人を選任しなければならない。
2 前項の規定により相続財産の清算人を選任したときは、家庭裁判所は、遅滞なく、その旨及び相続人があるならば
一定の期間内にその権利を主張すべき旨を公告しなければならない。この場合において、その期間は、六箇月を下ることができない。
(不在者の財産の管理人に関する規定の準用)
第953条 第27条から第29条までの規定は、前条第一項の相続財産の清算人
(以下この章において単に「相続財産の清算人」という。)について準用する。
(相続財産の清算人の報告)
第954条 相続財産の清算人は、相続債権者又は受遺者の請求があるときは、その請求をした者に相続財産の状況を報告しなければならない。
(相続財産法人の不成立)
第955条 相続人のあることが明らかになったときは、第951条の法人は、成立しなかったものとみなす。
ただし、相続財産の清算人がその権限内でした行為の効力を妨げない。
(相続財産の清算人の代理権の消滅)
第956条 相続財産の清算人の代理権は、相続人が相続の承認をした時に消滅する。
2 前項の場合には、相続財産の清算人は、遅滞なく相続人に対して清算に係る計算をしなければならない。
(相続債権者及び受遺者に対する弁済)
第957条 第952条第二項の公告があったときは、相続財産の清算人は、全ての相続債権者及び受遺者に
対し、二箇月以上の期間を定めて、その期間内にその請求の申出をすべき旨を公告しなければならない。
この場合において、その期間は、同項の規定により相続人が権利を主張すべき期間として
家庭裁判所が公告した期間内に満了するものでなければならない。
2 第927条第二項から第四項まで及び第928条から第935条まで(第932条ただし書を除く。)の
規定は、前項の場合について準用する。
(権利を主張する者がない場合)
第958条 第952条第二項の期間内に相続人としての権利を主張する者がないときは、相続人並びに
相続財産の清算人に知れなかった相続債権者及び受遺者は、その権利を行使することができない。
(特別縁故者に対する相続財産の分与)
第958条の二 前条の場合において、相当と認めるときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じく
していた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求に
よって、これらの者に、清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができる。
2 前項の請求は、第952条第二項の期間の満了後三箇月以内にしなければならない。
(残余財産の国庫への帰属)
第959条 前条の規定により処分されなかった相続財産は、国庫に帰属する。この場合においては、
第956条第二項の規定を準用する。
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